メアカンブット(Meakambut)の洞窟は道なき道を越えた尾根にある。
ナショナルジオグラフィックの取材班の記録からは尋常ではない渡航の様子がうかがえる。
まず彼らは水陸両用小型プロペラ機でセピック(Sepik)川流域まで移動した。
川が浅くなるとそこから徒歩で数時間。
森に着いた彼らは「こん棒」を用意した。
電話などないこの森では交信手段に「こん棒」を使うのだ。
3人の男がそのこん棒で大木を力まかせに叩く。
ドゥゥゥンンーーン....
彼らはこの「ジャングル電話」を2日も続けた。
反応は無し。
反応がないとわかったら進むしかない。
次の目的地はメアカンブットが最後に確認されたテンバカパ(Tembakapa)という尾根。
当然会える保証はないし、なによりその尾根までは徒歩で2日かかる。
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-メアカンブットはこの辺り
険しい道のりを2日かけて到着したその集落に人の気配はなかった。
石で丸く囲まれた木の十字架があるだけだった。
翌日昼、2人の男がやってきた。
細身の体で筋肉質、腰みのを付け頭には黄色い鳥の羽、そして力強い握手、
メアカンブットの男達だ。
彼らはたまたま通りかかったのではない。
「ジャングル電話」が聞こえたのだという。
-メアカンブットにとって川は道だ。
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